幼い頃に母親から言われた言葉って覚えていますか?
大人になった今でも忘れることなく、ふとしたときに思い出すことってありますよね。
本日は西尾維新「花物語」より、神原駿河の母、神原遠江が娘に向けて放った言葉についてのお話。
内容紹介
悪マーセント趣味で書かれた小説です。――西尾維新“薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ”
阿良々木暦(あららぎこよみ)の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河(かんばるするが)。直江津(なおえつ)高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、“願いを必ず叶えてくれる『悪魔様』”の噂だった……。
<物語>は、少しずつ深みへと堕ちていく――
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
君を知り、解きはなつための物語。西尾維新「花物語」
作中に出てくるのは、神原駿河を取り巻くメンバー。幼い頃に母親を亡くした彼女が胸の内に秘めていた母親の言葉。
それは幼い少女に向けるにはあまりに厳しい言葉だと、わたしは感じました。
「薬なれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ。」この言葉の真意はどこにあるのか
言葉を受けたのは「幼い娘」
この言葉、母親が幼い娘に向かってはなった言葉です。
〈物語〉シリーズはファーストシーズン、セカンドシーズンで、主人公の視点が変わっていく話なのですが、この「花物語」は神原駿河という猿の右手(レイニーデビル)という怪異を持つ女の子のお話です。
母親の名は、神原遠江。旧姓 臥煙遠江。
両親を幼い頃に事故で亡くし、離縁されていた祖父祖母に引き取られるという、壮絶な経歴を持つ神原さんが、幼い頃から母親に言われ続けた言葉。
本来はもっと「優しい」表現だった
そして、この言葉には実は元ネタがあります。
「毒にも薬にもならない」
毒にも薬にもならないとは、害にならない代わりに、役にも立つこともない、あってもなくてもどうでもいいもの、居ても居なくても何の影響もない人のたとえ。飲んで毒になるわけでもなく、だからといって薬としての効能があるわけでもないという意味から。「毒にも薬にもならぬ」とも。
本来の言葉よりもさらに厳しい言葉に聞こえますよね。
幼い娘に伝える言葉として適切かはわからない。でも、いろんなことを悟っていた母親だったから、娘には強く生きて欲しかったのかもしれないですね。
母親からの強烈な愛情表現
日常では使わないような強烈なメッセージを持った言葉だと思います。
こんなことを言われたら、普通に傷つきますよね。それが誰であっても。
まして母親からなんて、とんでもない。でも、この言葉を選んだ。
つまり、当たり前の言葉じゃ足りないくらいの、強烈な思いが垣間見えているということなんじゃないかなと思います。
これを親から物心がついた頃から永遠言われ続けてきた神原さん。そりゃBLにも走りたくもなるよね。関係ないけど。笑
http://imyme9.net/entry/nishioshin
「愛」があるから伝わる言葉
必要とされる人間とそうでない人間
「居ても居なくても何の影響もない人」っていうのはつまり「いらない人間」ってこと。
幼い頃からこんな育て方をされているのなら、それは芯が通ったまっすぐな子供に育つのも頷ける。ようは「ブレるな、まっすぐ自分の思うように生きろ。」こんな感じにも受け取れる。
つまりは、「他人から必要とされる人間になれなきゃ、あんたはいらない人間だよ。」っていうお母さんからの強烈な愛情表現なんですよね。
「愛情 = 厳しさ」
小学校、中学校と義務教育に守られながら生きてきて、高校、大学と進学する人が大半な今の日本で、こんな言葉を子どもにかけられる母親がどれだけいるのでしょうか。
私は甘々で育てられたので、もし自分に子どもができてもこんな言葉をかけられる自信がありません。でも、子ども目線でいうなら、私はかけてほしかったかな。
「厳しくする」という意味は、絶対に履き違えてはいけないことだと思います。ですが、社会に出て、母親の助けが受けられなくなったときに思い出すのかもしれません。
「強く強かに、まっすぐブレずに生きられる大人になってほしい」
母親のそんな強い気持ちって、子ども心にも伝わるものがきっとあると思います。
自分の子どもへの「自信」
あの時わからなかった言葉が、心にきちんと残って、大人になってからわかることってありますよね。「あ、あのときのお母さん、そういうこと言ってたんか」とか。
わかってもらえるという自信があったから、神原さんのお母さんは伝えられたのかもしれない。
生きることの厳しさだったり、社会に出てから必要とされる人間になってほしいっていうメッセージを、抽象的でなくリアルな言葉で表現できることって、自身が強くないとできないことですよね。
自分にブレない軸がないと伝えられない言葉じゃないかなとも。
かっこいい母親を目指したい
いろいろ自分の子供時代のことを考えさせられる〈物語〉シリーズには、かっこいい母親が多数出て来きます。阿良々木暦という人間とその在り方(変態だけど)をありありと描いた作品が多い中、強い母親像という目線でみても面白いかもしれません。
とくに「花物語」では「母親」という存在が顕著にクローズアップされていて、西尾維新さんにとって「母親」の存在がどのようなものかが浮き出ているような気がします。
気になった方はぜひ手にとって読んでみてくださいね ^^
それでは、本日はこのへんで。
お付き合いいただきまして、有難うございました ^^
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