アニメ

思考実験が好きな人におすすめな本・アニメ・映画。それが「サクラダリセット」

今回はアニメを見たことがない人でも「こんな作品があるんだ、見てみたいかも」と思ってもらえたらいいなと書きました ^^

昨日放送された「アニメ サクラダリセット #13 ONE HAND EDEN 2/4」での「正しさ」についてのお話。

原作映画化アニメ化されていますので、好きなメディアで見てみてください ♪

http://imyme9.net/entry/sakurada

http://imyme9.net/entry/shikoujikken

「サクラダリセット」著者:河野 裕

内容紹介

「リセット」という一言で、世界は、三日分死ぬ――

能力者が集う街、咲良田(さくらだ)に生きる時間を巻き戻す少女・美空と、記憶を保持する少年・ケイ。繰り返す日常は、若者たちに何をもたらすのか!?

見聞きしたことを絶対に忘れない能力を持つ高校生・浅井ケイ。世界を三日巻き戻す能力・リセットを持つ少女・春埼美空。ふたりが力を合わせれば、過去をやり直し、現在を変えることができる。しかし二年前にリセットが原因で、ひとりの少女が命を落としていた。時間を巻き戻し、人々の悲しみを取り除くふたりの奉仕活動は、少女への贖罪なのか?

不可思議が日常となった能力者の街・咲良田に生きる少年と少女の優しい物語。

サクラダリセット」 著者:河野 裕

角川文庫「サクラダリセット」公式PV

公式リンク

「正しさ」の定義

質問「正しさとは?」

あなたは「『正しさ』とは何だと思いますか?」と聞かれた時にどう答えますか。

私は「強いこと」「ブレナイこと」「間違えないこと」とか、そんな考えが出てきます。でも、本作に出てくる野良猫屋敷のお爺さんは「正しさ」をこんな風に定義づけました。

 

野良猫屋敷のお爺さんと野ノ尾盛夏との会話
(「アニメ サクラダリセット #13 ONE HAND EDEN 2/4」より一部抜粋)

野良猫屋敷のお爺さん ■ 野ノ尾盛夏

「知恵の輪とは正しさを探すもの」

「どうすれば正しさは見つかるのだ」

「頭の中に二つの箱を用意する。AとBの空っぽの二つの箱を。」
「Aの箱には思いつく限り、何もかも入れる。」

「何もかも」

「そう、何もかも。たとえばこの世界には何がある」

「猫」

「それもある。他にもある」

「私と君と、両親と、ミルクとクッキー」

「その通りだ。他にも、靴下や洋服や法律や、嘘やオイラーの方式もなんかある」

「方式?」

「この世界で最も美しいものの一つだよ」
「ともかく、色々なものを何もかも、その箱に入れるんだ」

(中略)

「大体全部入れ終わったら、その中から正しくないものをみつけてBの箱に移す」
「少しでも正しくないなら、容赦なく移すんだ」

(中略)

「これはいつまで続ければいいんだ」

「Aの中の箱の中身を一つ残らず、Bの箱の中に移し終わるまでだ」
「この世界にあるものはどこかしら正しくないものだよ」
「どんな良いものにも悪いところが一つくらいある」
「Aの箱の中身を全部、Bの箱に移してしまったら、今度はBの箱から、まだマシなものを拾い上げる」

「それが君の正しいものだ」

「だがそれはどこか正しくないのだろう」

「正しくないところを理解した上で、それでも尚、正しいものだけが本当に正しいものだ」

「君は何を正しいと思った」

「猫」

「正しいものとはそうやってみつけるんだ」

片手の楽園 サクラダリセット5

正しすぎて居心地が悪い

「正しい」というのは一見「間違えていないこと」に見えますが、果たしてそうでしょうか。

たとえば、私はよく「まっすぐに物事を見ているね」と言われます。それは「正しい」ことが相手にしてみれば「正しすぎて居心地が悪いこと」だったんです。相手はグレーなことが好きな人でした。

それが正しいのかはともかく「正しいことだけが正解ではない」ということをその方から教えてもらいました。何でも「~すぎ」は良くないですよね。笑 

本当の意味での「正しさ」とは

「正しさへの信頼のなさ」と「自分への信頼」

野良猫屋敷のお爺さんの言葉には「正しさ」に対するどうしようもない信頼のなさが出ているような気がします。

正しいものなど、この世にはない。
しかし同時に、限りなく正しいものは確かに存在する。

こんな矛盾を孕んだ言葉に聞こえます。

「この世界にあるものはどこかしら正しくないものだよ」
「どんな良いものにも悪いところが一つくらいある」

片手の楽園 サクラダリセット5 (角川文庫)

結局「正しさ」なんて、自分が決めてしまうことで、他人からしたらそれすらも「正しいこと」ではないのかもしれない。

「正しさ」ほど不確かなものはない。それはどことなく「幸せ」と同じような、曖昧で不確かで、儚いものなのかなと思いますよね。

しあわせは いつも じぶんの こころが きめる みつを

にんげんだもの 逢 (角川文庫)

わたしのの大好きな相田みつをさんもよく言っています。正にその通り。
何度この本で落ち着かせてくれて、命一杯泣いたことでしょう。笑

答え「正しいと決めるのは自分で、決めないのも自分」

世界には「正しさ」は多々溢れていますが、本当の意味での「正しさ」は自分の心だけが知ってる。

「正しくないところを理解した上で、それでも尚、正しいものだけが本当に正しいものだ」
「君は何を正しいと思った」

「正しいものとはそうやってみつけるんだ」

片手の楽園 サクラダリセット5 (角川文庫)

「正しいこと」を「正しいこと」だと認識するのも自分。
実行するのも自分。決めるのも自分で、否定するのも自分。

そう思うと「正しさ」なんて不確かなものを議論するのもバカバカしくなってしまうと言えば本末転倒でしょうか。そんな思いも抱いてしまう、昨日の「サクラダリセット」の一コマでありました。原作は5巻です。

以前「スワンプマン」についても書きましたので宜しければご覧下さい ^^

http://imyme9.net/entry/sakurada

おわりに

本日は「正しさ」について、答えの出ないことを書いてみました。
気になった方はぜひ、原作映画アニメ、好きなメディアから手を出してみてください ^^

見終わった後、読み終わった後に、世界の見方が少しだけ変わって見える。
そんな作品だとわたしは思います。

それでは、本日はこのへんで。
お付き合いいただきまして有難うございました ^^

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